【ワインの基本編①】今さら聞きにくいワインの作り方を簡単解説!!

ワインの基礎知識編

この記事では、初心者の方向けにワインの作り方を分りやすく解説します。

皆さんにとって「ワイン」のイメージとはどんな感じでしょうか?

難しそう、どんな味か分らない・・・などと思う方も多いですよね。 なんだか敷居の高いお酒で、私も最初はそんな感じに思っていました。

でも、ちょっと知っていると格好いいかも・・・なんて思いでワイナリーに就職したんです。 めちゃくちゃ動機がミーハーです(*´∀`*) 

でも、そんな軽い気持ちで就職して、もうかれこれ20年近く勤務しています!!

ソムリエになりたいとか資格が取りたいとか、そこまでじゃないけど、友達や家族にワインって○○なんだよ~なんて、ちょっと話してみたいという方に向けて書いていきます。

ワインを知るにはお酒の種類を知ろう

そもそもワインとは?「説明して!」と言われると「う~ん・・・」となってしまう方も多いと思います。

結論から言うと、ワインとは『果実からつくるお酒(醸造酒)』です。

皆さんがイメージするワインは「ぶどう」が原料ですよね。一般的にもワイン=ぶどうの認識で間違いないでしょう。

ちなみに、りんごを原料としてつくる醸造酒は『シードル』といいますよ!

そんなワインの説明のちょっと前に、お酒の種類について何があるかご存じですか?

ビール、日本酒、焼酎、ワイン、ウイスキー、カクテル・・知っているお酒は沢山ありますよね。

でも、実はお酒って以下の3種類で分類されているんです。

①醸造酒

  • 穀物(米、麦など)もしくは果実(ぶどうなど)を麹や微生物を活用してアルコール発酵させたもの。代表的なお酒は米から造る日本酒、麦から造るビール、ぶどうから造るワインなど。

醸造とは、味噌や醤油でも使う言葉ですよね。辞書などで調べると、発酵作用を応用して、酒類・醤油・味噌などを製造すること、等が出てきます。

発酵は微生物の働きにより糖分を分解する作業の事です。生成される物質によって仕分けられ、アルコール発酵・乳酸発酵・メタン発酵などが有ります。ワインはこの中で考えるとアルコール発酵をしていると言える訳ですね。

②蒸留酒

  • 醸造酒における原料を発酵させたものを蒸留して造りだしたもの。代表的なお酒はウイスキー、ブランデー、焼酎など。

③混成酒

  • 混成酒: 醸造酒や蒸留酒を原料として果実や香草、スパイスなどを混ぜたり、浸出させたりして造りだしたもの。リキュールですね。有名なリキュールでカンパリやコアントロー、梅酒など。

ざっくり分けるとこんな感じです!イメージはつかめましたか?なので、最初に説明した様にワインは果実から造る醸造酒になりますね!

ワインのつくりかた

ここからいよいよワインの作り方解説です!今回は赤ワインと白ワインに絞ってご紹介します。

ブドウの種類

赤ワインは、「黒ブドウ」と呼ばれる皮の色が紫や黒などのぶどうが一般的です。それに対し、白ワイン「白ブドウ」と呼ばれる皮の色が黄緑色などのぶどうが使用されます。

しかし、必ずしもぶどうの種類だけで赤白を分けられるかと言うと、一概にそうとは言えないんです。醸造方法によっても、黒ブドウから白ワインも造れるからなんです。

ワイン専用品種と食用ブドウの違いは?

【生食用のブドウの特徴】皮が薄くて粒が大きく、酸味が少ない。

食用のブドウとされているのは、主に「ヴィティス・ラブルスカ種」というアメリカ原産のブドウ原品種です。

「えっ!何々?聞いたこと無い!」と思いますよね。

例としてはコンコードやキャンベル・アーリー、デラウェア等が挙げられます。ワインよりはジュースなどに向いている品種ですね!

コンコードはぶどうジュースの「ウェルチ」とかにも使用されていますよ。

【ワイン専用品種の特徴】皮が厚くて粒が小さい。糖度が高くて酸味も強い。

ワイン用ブドウとされているのは、主に「ヴィティス・ヴィニフェラ種」と呼ばれるヨーロッパ原産のブドウ原品種です。例としては、カベルネ・ソーヴィニヨンやピノ・ノワール、シャルドネ等の世界的にも有名なワイン専用品種が挙げられます。

日本では甲州ブドウがワイン専用品種では有名ですが、「ヴィティス・ヴィニフェラ種」と中国の野生種の交配種だと判明しています。

※甲州はヨーロッパ系品種のヴィティス・ヴィニフィラと中国の野生種ヴィティス・ダヴィーディの2つのDNAがふくまれた白ブドウ

もともとカスピ海で生まれたヴィニフィラは日本には無い品種です。中国を何百、何千年かけて交雑しながら日本に伝わってきたのではないかと示唆されたのです。

【その他】

ブドウ品種の中には設定自然交配で誕生した品種もあれば、生産者が開発してできた品種もあります。日本のようなヴィニフェラ品種の栽培にあまり向いていない土地柄では、栽培適性の優れた品種を育成することがとても大切です。

日本を代表する交配育種の第一人者が有名な「川上善兵衛」であり、【マスカット・ベーリーA】や【ブラック・クイーン】などの日本ワインとして重要な品種を生み出しています。

醸造方法

赤ワインと白ワイン、ぶどうの種類以外に違いがあります。それは醸造方法に秘密があるんです。ここではざっくり説明させて頂きます。

・赤ワインのつくりかた

①収穫 → ②除梗(破砕)→ ③アルコール発酵 → ④圧搾 → ⑤樽熟成 → ⑥瓶熟成 → ⑦出荷

赤ワインの場合は、茎を取り除き(除梗)果皮を含む粒ごとタンクに入れて発酵させます。その為、皮から出る赤い色素と、種から出る渋味の成分であるタンニンが最大の特徴となります。

酵母菌の働きにより、糖分をアルコールと炭酸ガスに分解し、炭酸ガスが全て抜けた後に樽熟成→瓶熟成の流れです。

一般的には発酵に約2週間、樽熟成はワインの個性によって異なりますが1年半~2年間位行います。

瓶熟成は3ヶ月などの短いものもあれば10年以上という長期熟成のワインもあります。作り手はワインの状態を常に観察し、出荷のタイミングを決めていきます。

・白ワインのつくりかた

①収穫 → ②圧搾 → ③アルコール発酵 → ④樽熟成 → ⑤瓶熟成 → ⑥出荷

赤ワインと異なり、除梗はしません。房ごと圧搾して果汁のみを発酵させます。果皮を仕込まない為、白ワインは渋味が無いのが特徴です。

発酵には同じく2週間、樽熟成、もしくはタンク熟成を経て瓶熟成となります。

白ワインの場合はすっきりとした酸味が特徴のワインもあるので、全てのワインを樽熟成するという訳では有りません。あえてタンクに入れることでぶどう本来の味わいを引き出すことが出来るからです。逆に厚みのある味わいに仕上げる場合は樽に入れる事もあるので、作り手により個性も様々です。

上記のように赤ワインと白ワインでは仕込み方が異なりますので、味わいにも大きな違いが生まれます。それが、ぶどう品種や繊細な熟成でどんどん変化して、それぞれが個性を持ち美味しいワインになります。

今回は赤ワインと白ワインの醸造方法のみを解説していますが、ロゼワインオレンジワインなどもありますので、それらはまた次回に詳しくご紹介させて頂きますね!

まとめ

お酒の種類は3種類

①醸造酒 ②蒸留酒 ③混成酒

ワインは果実からつくる①醸造酒です。

・ブドウの種類

ぶどうは大きく2種類にわけられます。①アメリカ原産の生食用ブドウ②ヨーロッパ原産のワイン専用品種です。

ワインは主に②ワイン専用品種から醸造します。ただし、①生食用ブドウからつくるワインも有りますよ。

・醸造方法

【赤ワイン】

①収穫(選果)②除梗(破砕) ③アルコール発酵 ④圧搾 ⑤樽熟成 ⑥瓶熟成 ⑦出荷

【白ワイン】

①収穫(選果)②圧搾 ③アルコール発酵 ④樽熟成 ⑤瓶熟成 ⑥出荷

赤ワインと白ワインの醸造方法は②の過程が異なります!赤ワインが粒ごと仕込むのに対し、白ワインは果汁のみで仕込みます。

いかがでしたか?少しワインの事が分ると楽しくなりますよね。

次にワインを飲む時にはプチ小話として話してみて下さいね♪それではまた!

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